変わったのは、帰ってくる場所の真ん中
「和音を聴く」で鳴っているのは、ラ・ド♯・ミです。真ん中のド♯を半音下げるとドになり、両端のラとミはそのままです。土台がドからラに変わっても、起きていることは前の部屋と同じで、真ん中の1音だけが動いています。私には、開いていた扉が半分だけ閉じたように聞こえました。
この「真ん中の音の高さ」が、長調と短調を聞き分けるときのいちばんの手がかりになります。ただ、曲の途中では明るい和音と影のある和音が何度も入れ替わるので、途中の一瞬では決めにくいものです。そこで、コツを2つ。
帰ってくる和音に耳を寄せる
曲の終わり、あるいはサビの終わりで「帰ってきた」と感じる和音があります。そこで鳴っている真ん中の音が、高いほう(ド♯側)か低いほう(ド側)か。途中の景色ではなく、帰ってくる場所で判断すると、迷いが減る人が多いようです。
頭の中で入れ替えてみる
聴いている曲の終わりを、頭の中で明るい版と影のある版の両方で歌い直してみます。机の上の2つの和音を続けて鳴らして、その差を耳に残しておくと、どちらが元の曲に近いかが浮かびやすくなります。
名前を知る
ラ・ド♯・ミの和音は Aメジャー、ド♯をドに下げた和音は Aマイナー と呼ばれます。違いは、土台のラから真ん中の音までの距離です。
Aメジャー
ラド♯ミ
ラからド♯まで、半音4つ分(長3度)Aマイナー
ラドミ
ラからドまで、半音3つ分(短3度)曲が帰ってくる和音がメジャーなら長調、マイナーなら短調と呼びます。土台がラでもドでも、決め手は同じ「真ん中までの距離」です。
理論上の事実
帰ってくる和音の3度が長3度なら長調、短3度なら短調。土台の音が何であっても、この距離で決まる。
景色(比喩)
この記事では、開いた扉と半分閉じた扉、という絵で表しています。
感じ方(文脈で変わる)
長調でもゆったりした曲は静かに、短調でも速い曲は軽やかに聞こえます。歌い方や楽器でも印象は変わります。
終わりの和音だけで必ず決められる、というわけではありません。途中で調が移る曲や、あえて帰ってこない終わり方をする曲もあります。そういう曲では「いちばん長く帰ってきていた場所」を探すのが近道です。
次の体験へ
曲が明るく聞こえたり、暗く聞こえたりするのはなぜ?
明るい・暗いの大部分は、和音の真ん中の音の高さで決まります。ただ、それだけではありません。机の上で1音だけ動かして、確かめます。
- 参考: Open Music Theory「Triads」(三和音の構成)
- 参考: Open Music Theory「Major and Minor Keys」(長調と短調)
- この記事の音は、ブラウザの中で合成しています。楽曲の録音や外部サービスは使っていません。
